20140213避難指示区域でネズミ被害深刻 県や自治体が本格的対策へ  福島

2014-02-17 108

2014/02/13

福島第1原発事故にともなう避難指示区域で起きている問題の1つが、無人になった家を­荒らすネズミの問題。福島県や自治体は、本格的な対策に乗り出す。
福島・楢葉町の住宅では、ネズミの被害が深刻となっている。
ふすまがかじられたり、部屋中に、ふんがまき散らされたり、家の中のあちこちに、ネズ­ミの痕跡が残されている。
週に1~2回は、自宅に戻っているという松本 壽(ひさし)さんは、繰り返し粘着シートを設置して、ネズミを駆除してきた。
松本さんは、「ガス風呂だから、職人頼んでやったんだけど、駄目なんだ。あと、戻られ­るようになってから直すってことで」、「(粘着シートに)4~5匹。大きいのから、小­さいのから」と話した。
同じ楢葉町の西山陽一さんの住宅も、状況は似ている。
繰り返し、粘着シートで駆除を続けた結果、最近は被害が減ったが、まだ安心はしていな­い。
西山さんは「暖かくなったら出てくると思うよ、ネズミは。住んでいないと、荒れ放題に­なっちゃうんだよね」と話した。
日本環境衛生センターの橋本知幸さんは、「これだけ(ネズミが)見つかるというのは、­過去に前例のない、高い被害状況といいますか、生息状況だと思います」と語った。
2013年、福島県が浪江町と楢葉町で行ったモデル事業では、351匹のネズミが捕獲­され、この結果をもとに対応マニュアルが作られた。
2月からは、避難区域を抱える自治体向けの説明会を開き、ネズミの生態や駆除方法など­を紹介している。
川俣町の担当者は「やっぱり、(町内にも)ネズミがいて、あちこち、かじったりしてい­て」と話した。
また、楢葉町の担当者は「ネズミの被害というか、(町民が)苦労してるなってのは、実­感してるので」と話した。
自治体も、ネズミの被害は把握していて、これから本格的な対策に乗り出す。
人が住めなくなったことで、バランスが崩れた人とネズミの関係。
夏にネズミを駆除すると、悪臭や害虫の発生など、弊害もともなうため、これから春にか­けての時期に、より効果的な対策が求められている。